エゾリスの会 非公式ブログ!

北海道帯広の環境系まちづくり団体「エゾリスの会」会員による非公式ブログ https://noken.hatenablog.com へ引っ越し

         https://noken.hatenablog.com  へ引っ越ししました。

「ダニ媒介脳炎」とエゾリスは餌付けを通じて接触しうる

きたない餌台


他のエントリにも書きましたが、追記です。
本州の調査ですが、アライグマのSFTS重症熱性血小板減少症候群ウイルス)ウイルスの抗体保持率が半数を超えており(キツネでは見られなかった)、
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2342-related-articles/related-articles-433/6320-dj433a.html

また、その保持率が急激に高まったことがわかりました。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/21/3/21_3_67/_pdf

アライグマはエゾシカよりもずっと市街地に適応しやすい動物で、人家や物置に好んで巣を作ります。
つまり、SFTSをはじめとするダニ媒介感染症が、アライグマの行動を軸にして蔓延する可能性が高いことを示していると思います。この病気はエキノコックスよりもずっと早く重症化します。一般の方が感染する確率も高くなるでしょう。以下の餌付け環境から容易に想像できます。

特定外来生物の防除に、もっと税金を投入するためには、市民の声が必要だと思います。

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緑ヶ丘公園のエゾリスとドブネズミは生活空間を共有しています。
帯広市緑ヶ丘公園の、画像の汚い餌台(現在は撤去)の下に、ドブネズミがほぼ常駐していました。
いまは餌台こそありませんが、そこら中汚いエサガラがそのままです。
つまり、ドブネズミとエゾリスが人間の餌付けによって接近し、生活の場を共有しているのです。

そこで、このニュースです。
札幌でダニ媒介ウイルス 北大、野生動物で確認
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/health/health/1-0398100.html
「北海道大の研究グループは10日、札幌市内で捕獲された野生動物が「ダニ媒介脳炎」の原因となるウイルスに感染していたのを確認したと明らかにした。大都市での確認は初めて。ダニ媒介脳炎はウイルスを持つマダニにかまれることで発症する。北大大学院の好井健太朗准教授(ウイルス学)によると、市内の山林で捕獲されたアライグマや野ネズミなど84匹の血液を調査。約1割に当たる10匹からウイルスに感染したことを示す抗体が見つかった。」

https://jcc.jp/news/12212543/
「北海道で去年8月、マダニから感染するダニ媒介脳炎の死亡例が国内で初めて確認されたことを受けて、北海道大学の研究グループが調査したところ、札幌市内で捕獲された野ネズミなどの約1割がウイルスに感染していたことが分かった。」

他の都市では、エゾリス感染症との関係はほとんど問題にはならないでしょう。一部の地域を除き、姿を見ることすらまれだからです。
しかし帯広では、エゾリスが餌付けによって「餌をやらない人にも接触しています。
また、餌付けによって、極めて高密度な状態になっています。これは、寄生する、ダニ、ノミ、シラミなどにとってたいへん有利なことです。
ネズミと生活の場を共有している緑ヶ丘公園のエゾリスのウイルス感染の確率は、高いと思います。

「餌付け場」はリスがいない時間はカラスやネズミが使っていますし、その時間はかなり長いのです。
エゾリスから人へ、直接ダニが移動しなくても、餌付けはその地区全体のダニなどを増加させてしまうだろうことは、容易に想像できます。
そりゃそうです、公園に存在しない栄養分を持ち込んだり、集中させたりしてるんですから、ある種の生物が異常な密度になってしまうのは当然です。エサやっている人は、そんなことにはお構いなしです。無責任な話だと思います。

このことは何度も何度も書いてきました。
2013-09-04 エゾリスにはマダニやノミがついています
http://d.hatena.ne.jp/noken/20130904

2014-02-25 重症熱性血小板減少症候群SFTS)ウイルスが北海道のマダニより発見
http://d.hatena.ne.jp/noken/20140225

北海道の例に漏れず、帯広の方はエキノコックスへの恐怖から、キツネの存在を異常に恐れます。住宅地を歩いているのを見ただけで、駆除の要望が出ます。
しかし、エゾリスには平気で接触します。そのうち、散歩の犬の上にのせて写真を撮る人が出るんではないでしょうか??というくらい。
もしリスが原因で致死的な病気が一回でも起きたら、キツネへのそれと同じように、手のひらを返したように「エゾリスを殺せ」と言い出すのではないでしょうか?
エゾリスを加害者にするのは餌付け人だと思います。

再掲 おすすめしません野生動物への餌付け
http://d.hatena.ne.jp/noken/20161123