エゾリスの会 非公式ブログ!

北海道帯広の環境系まちづくり団体「エゾリスの会」会員による非公式ブログ https://noken.hatenablog.com へ引っ越し

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「感染症」野良猫に噛まれてSFTS感染・死亡

noken2017-07-24


驚きました。エゾリスも現実に人間を噛んでいるからです。

これまで多くのエントリで野生動物への餌付けについて、そのリスクを書いてきましたが、
現実はその先を行ってしまいました。恐ろしいという実感・・・
猫に噛まれてSFTSで死亡、ということは、エゾリスに噛まれても似たような事態になることは容易に考えられます。

そして現実に噛まれている一般の方はいます。

「マダニウイルス 動物から初の感染例か 50代女性死亡」 7月24日 17時25分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170724/k10011072191000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_015

厚生労働省によりますと、去年の夏、西日本の50代の女性が、弱った野良猫を動物病院に連れて行った際に手をかまれ、およそ10日後にSFTSを発症して死亡したということです。」

実は、呼びかけにもかかわらず公園でもっぱら餌付けを行っている方の中には「グローブ」をしている方がいます。エゾリスが衛生的でないことを知っているんです。(ならば、やらなければいいのに)
しかし、エゾリスは持ち物や行動で「人間(というもの)にエサがある」と認識します。(人間がエサをくれる ではないと思っています)
つまり、餌付けに関係のない人にも接近します。
エゾリスは案外大きいので、駆け寄ってくると怖い感じもしますが、
そのかわいさに、つい手を差し出したり、その辺に落ちているクルミ(餌付け過多のため餌付け場では落ちていることもある)を持って差し出す、ということもあるでしょう。

エゾリスは(今のところ)攻撃性のある個体はいませんが(北米のハイイロリスでは数名のけが人を出す攻撃性を発揮した個体がいます)、ヒトの指をかじってみる個体はいます。歯はとても鋭いので簡単に怪我しますし、実際に噛まれた方もいます。
自分はグローブしておいて、他の人が噛まれる可能性を高めるようなことをしているのです。公園という公共の場で! 
も一度書きますが「噛む可能性・衛生的でない可能性」をわかっているのだから、多のヒトが噛まれる可能性に目をつぶる(他にもいろいろ目をつぶっているとは思いますが)のは「未必の故意」であろう、ということです。それが公共地であれば尚更です。

ところが、グローブが効かない状況が出てきました。
犬の唾液からの感染です。
マダニ感染症「犬からヒト」初確認 徳島の男性、既に回復
2017/10/10 18:13
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22077920Q7A011C1CR8000/

上の画像を見て下さい。
プライバシー保護のため極限まで画像を粗くして色も変えておりますが、小さな子がいる家族に、後ろの方が餌付けを勧めているところです。公園を普通に歩いていても、こんな風にすすめられることが結構あります。ここでもし、小さな子が噛まれたら、誰の責任になるのでしょう?
餌付け人は責任をとる気はないでしょうね。

そのような餌付け野生動物は「リードをつけていない犬の散歩」と似ています。
違いは「責任者の所在が見えやすいかどうか」です。
ペットを飼うと生じる責任はなぜ、野生動物への餌付けでは問われないのでしょう?

勝手に寄ってきたエゾリス

野生動物へは個人では責任はとりきれないのです。
個人それぞれのむいてる方向だってばらばら、やり方もバラバラ、結果もわからない。だから思い思いに餌をやってはいけないのです。生態云々の問題の前に、もしペットだったらこうすることが野生動物では不問なのか?それはまともなのか? 考えて欲しい。

エゾリスに人間を噛むような行動をさせているのは「餌付け人」です。
その行為に責任がとれるでしょうか?
出来ません。一つだけ、餌付けをやめることをのぞいては。

もしエゾリスが原因で病気などが生じたら、手のひらを返したようにエゾリスを殺すのでしょうか?キツネを殺しているように。

過去のエントリ
2014-02-25 重症熱性血小板減少症候群SFTS)ウイルスが北海道のマダニより発見
http://d.hatena.ne.jp/noken/20140225

2016-11-23 再掲 おすすめしません野生動物への餌付け
http://d.hatena.ne.jp/noken/20161123

2017-05-10 追記SFTS:「ダニ媒介脳炎」とエゾリスは餌付けを通じて接触しうる
http://d.hatena.ne.jp/noken/20170510

国立感染症研究所
動物におけるSFTSウイルス感染状況
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2342-related-articles/related-articles-433/6320-dj433a.html