エゾリスの基礎知識1
非常に雑ぱくではありますが、とりあえず書いて、
データは徐々に正確にしていこうと思っています。
分類
齧歯目 リス科 種名 キタリス Sciurus vulgaris
亜種名 エゾリス Sciurus vulgaris orientis
エゾリスはキタリスの北海道産亜種のことです。
漢字表記 蝦夷栗鼠
アイヌ語表記 道南・道央 トゥスニンケ(まじないをして消すの意)
十勝 ニウエオ(意味は不明)
足寄では、猟に出るときにエゾリスを見かけた場合、猟を中止してかえるそうです。どうもあまり縁起のいい生き物ではなかったようです。なぜなのかはよくわかりません。しかし獲物としては使っていたようです。
本州・四国にすむ ニホンリス Sciurus lis は別種とされています。この種類は九州/中国地方では絶滅が心配されています。エゾリスよりもやや小振りで、赤毛が多く、目の周りの毛がリング状に白っぽくなる個体が多くてかわいいと思います。
地上のすむタイプのリス、エゾシマリスについては別掲します。
エゾリスの1年の生活はおおむね以下のような感じだと思います。
1月末から2月上旬 交尾期その1 メスの交尾可能日はたった1日です。
2月とは早い!と思われるかもしれませんが、この時期は冬眠しないさまざまな野生動物・鳥類が繁殖期に突入します。その後のスケジュールから逆算する
と、この時期に繁殖期があることは合理的なのです。
4月〜5月頃 子リスたちが姿を見せ始める。
子供が巣立ち次第(ばらつきあり) 交尾期その2 2度の繁殖期があり、はじめて繁殖期を迎えるメスは1度だけの場合もあるようです。
6から8月 2期目の子供が巣立ち。
子リスたちは初めは木の軟らかい若芽などを食べ、徐々に堅いものも食べられるようになります。
妊娠期間は38日。普通3〜4子ですが、1〜9頭の幅があるようです。
8月以降10月くらいまで、分散、移動します。
生まれた林から離脱し、別な林を求めて移動する個体があらわれます。
しかし、もともとは一枚の大きな林だったわけで、「森の中の好みの林分に移動」というのはあっても、「別な林へ(林でないところを)移動」なんてオプ
ションはあまり無かったのではないかと思われます。
なので、交通事故が増加するのもこのころです。
11月から1月まで 冬の生活
冬を迎えるとエゾリスは早朝活動して、日中はあまり活動しなくなります。夕方また少し活動して寝てしまいます。ただし、餌付けをしているとこの活動が変化する可能性もあります。
冬季のエゾリスは木の枝をボール型に編んだ巣(通称、冬の巣、と呼んでいます)でくらし、子育てもこの中で行うことが多いようです。しかし、マイナス
20℃を下回るような気温の時はその巣ではなく、大きな木にできた洞を使います。
この洞の数が孤立した林分にすむエゾリスの数の下限に関係しているようです。
性成熟は1年。寿命は16年という記録があるようです。
実際に観察しているかぎり、10年に届くような長寿の個体は見あたりません、
せいぜい、7年くらいのものがいたというお話は聞きます。
(つづく)