エゾリスの会 非公式ブログ!

北海道帯広の環境系まちづくり団体「エゾリスの会」会員による非公式ブログ https://noken.hatenablog.com へ引っ越し

         https://noken.hatenablog.com  へ引っ越ししました。

6月10日 植生管理&モニ1000

航空法伐採跡地の植生管理ですが、5月に1000個の目印を立てた萌芽、実生、在来草本、在来種の播種や実生の移植場所等のまわりのオオアワダチソウ等の外来種を中心に草抜きを行いました。
全ての草を抜くのではなく、目印の周囲を抜くことによって、機械刈りしやすくするのです。
 

機械刈りの欠点は、全ての植物を刈ってしまう可能性があることです。この場合、目的の植生まで回復する道のりが遠くなってしまいます。
帯広の森のカシワ林を想定した場所ではとくに「丸刈り」すると、オオアワダチソウ等外来種の勢いが強くなり、これではもはや何のための場所なのかわからなくなってしまいます。

航空法伐採跡地では、高木になるはずの木を低く、あるいは灌木類で低い層を作り、その下には在来植生を導入することで、帯広の森の目的である「原風景」を復元することが目標です。

目標とする植生が、帯広本来の植生(潜在植生)に近いと、現在の状態から誘導するには、経験と勉強、そして時間と手のチカラが必要になってきます。しかし、そこで得られた経験や知恵、知識、そして何よりも人のつながりは未来へ残すべき大切な遺産と言えるでしょう。

………とはいえ、1000カ所以上もあるんです。大変なんですよ!でも、地道に楽しみを見つけながら続けていると不思議と進んでいるものなのです。

播種したオミナエシが盛大に芽を出していました。耕してスジ播きしたところと、そのまま地表にばらまいた場所があります。
 

春先に冠水していた(土壌凍結が融けていなかったためか?)場所では、湿生を好むカヤツリグサが群生している場所がありました。ミツバツチグリは代表的なカシワ林の林床植物ですが、ぽつんぽつんと小さな群落を作っていました。
 

稲田小学校のカシワ林の表土を撒き出したところも伐採対象でした。
オオアマドコロ クルマバツクバネソウ クガイソウ エゾヤマハギ ミツバツチグリ マユミ などがありました。
  

その中でもクガイソウ、これはちょっと嬉しいです。オオアワダチソウの中でもかろうじてたえて生育する強さがあり(放置すると負けてしまいますが)、日向でも日陰でも花を咲かせます。チョウもたくさん来ますし、オミナエシと共に増えて欲しい種類の一つです。実はこのエリアには一株しか確認出来ていません。
 

さて、午後からはモニ1000のチョウ調査&植物調査です。
主力は中学生二人です! しかしチョウが全然いません!気温が低すぎるのでしょう。今年はモニ戦の最初の年のように、チョウが少ない年になるかもしれません。かろうじてミドリシジミ類と思われる幼虫を見つけました。木はハルニレです。
  
マイマイガ類の幼虫と思われるものがたくさんいたのですが、このヨツボシシデムシ(ヨツボシヒラタシデムシ?)が捕食しているのを見ました。

ブログ管理人はチョウチームだったので植物はその途中に見たものです。紅花イチヤクソウが一番美しい季節でした。次はこれは分かりにくい写真ですが、あまり帯広の平地には見られないササ(クマイザサ)がありました。この場所は他にも興味深い植生があり、何か共通点があるのかもしれません。
  

ミツバウツギがさわやかに咲いていましたが、寒すぎました。人気のササバギンランのシーズンです。ギンランかササバか毎年論議になりますが、葉の裏に小さな毛がたくさんあり、ササバギンランとの同定です。
そして、ヤマブドウが今年は食べられるかもしれません(誰かにとられなければ、ですが…) こういう樹種は意図的に残して管理しているのです。材を生産する林業ではこういうものはごく一部を除いてバンバン伐ってしまいます。これは自然の森に近づけて行くという管理方針、そして実践があってこその恵みなのです。
   
おっと、肝心のチョウですが、今日はゼロかと心配して歩いていたところ、草原のところでギンイチモンジセセリが確認出来ました。環境省レッドリストで準絶滅危惧種(北海道では普通種)です。
 
それから、なぜかシロオビヒメヒカゲがたくさんおりました。白い帯がかわいいチョウですが、とくに航空法伐採跡地で数頭確認出来たことは、植生の変貌をモニタリングする上で重要な出来事だと思います。

次回の活動は 
6月24日(日) モニタリングサイト1000鳥類調査6:00〜 チョウ調査10:00〜 

7月8日(日) モニタリングサイト1000鳥類調査6:00〜 里山をつくろうプロジェクト 9:00〜 やはり植生管理です! モニ1000植物&チョウ調査13:00〜 

里山活動地に集合です。興味をお持ちの方はぜひお気軽にご参加下さい!知識が無くても、参加しながらゆっくり覚えるつもりで十分です。