NHK「ブラタモリ」見ましたか!
その昔、NHKに「ウオッチング」という野生の生き物の観察番組があり、その司会がタモリさんでした。
その飄とした感じと観察眼で、ともすれば専門的になりがちの野生の世界とお茶の間を楽しく的確に結んでくれた番組でした。
今回は街歩きをテーマとするとのこと、ブログ管理人は彼が東京の坂道の本を出していることを知っており、歴史と風景を重ねて見ながら楽しく街を歩ける人だということを知っていたので、期待してみておりました。
すると、出発点が明治神宮!
この明治神宮の森づくりこそが、「帯広の森」のもう一つのルーツと言えるのです。
番組の中では、最初はほとんど木がなかった明治神宮70ヘクタールに、100年後、200年後に自立した森になるように樹種を選定し、いま現実にその計算のように(計算よりは少し速く移行しているようです)はじめは針葉樹中心の景観だったものが、やがて広葉樹(常緑広葉樹)中心に自然に置き換わって来たさまが「計画通り」であることが、簡単に、しかし的確に述べられておりました。
まさにこれが「計画」というものなんだ!と感銘を受けました。
明治神宮の森が設計されたのは大正時代です。私たちはそこから果たして進歩できているのでしょうか?
「帯広の森」も、最初に植えた木が大きくなったものが森ではなく、その次の世代の木がつくった森が目指す森である、という設計になっているのです。
しかしそれを何人の方が理解しているのか、植樹祭に深く関わった立場の方でさえ不理解があるような発言が見られ、不安になります。
番組の中では、参道の落ち葉を森に戻している様子もあり、そういう部分が好感が持てました。
実際に歩いたことがありますが、参道の両側の現在の地面は参道よりもやや高くなっているのです。落ち葉が堆積し、土ができていったということなのだろうかと思います。
ちゃんと責任者の方が森の隅々まで見て歩いておられる。比喩ではなく、実際に歩いている実感が感じられます。その方の表情を見ていると、「帯広の森」400haもそういう方がいなければいい森にはならないのだろうな、と思いました。正直言えば施設よりもまず人が必要と思います。
番組はもちろん、そこから出発した街歩きも観察眼に富んで楽しく見ることが出来ました。