ささやかな自然復元
里山をつくろうプロジェクトが始まる以前、エゾリスの会が帯広の森の中でもおもに使っていたところにログハウス(観察小屋)が建っています。FGF(富士フィルムグリーンファンド)の補助を受け建てたもので、池を見下ろす高台にあります。
植樹は、ログハウスの南側にカラマツの防風林があるので、この緑を拡大するような方向で、なおかつ小屋から肉眼で小鳥が観察できるように考えました。
・後背の緑がハウスを包み込んで、進出するイメージ。
・結実する樹種(エゾノコリンゴ等)と素早い樹間形成の2重円(実際には馬蹄形)
・円弧の外側はヤナギの埋枝で行う(間伐が前提)
・円弧の最も外側は、既存の高木(ハルニレ)に接触し、後背の林との一体化をねらう。
・林床植生の復元のため、直近の自然林から表土をすこし導入。
第2柏林台側という小さな川を挟んで西側には、やはり小さなハンノキの自然林があり、春になるとフクジュソウやアズマイチゲなどが密生するのです。表土はスコップで少しずつ分散して導入し、すくった後は落ち葉を埋めておきました。
ヤナギの埋枝は直径3センチくらいのものを長さ20センチに切って、水につけておき、地面を田んぼのように耕してから上下間違えずにばんばんさしていきます。
その後、第一の植樹場所と後背林との間にヤナギを挿し、小屋の玄関前に、コブシ、プンゲンストウヒ、チョウセンゴヨウ、エゾノコリンゴを植え、現在に至ります。
たしか、間伐は2度行っていると思いますが、ヤナギの径は15センチから20センチくらい、高さは8mくらいになっていました。
驚いたのはこれ、オオウバユリが結実していたことです。表土に含まれていたのでしょうか、自然林床の象徴的な植物ですから、うれしかったです。このほか、ハルニレの下にあったフクジュソウが広がりを見せていたり・・・
これはエゾリスのねぐら(夏の巣)だと思います。
エゾリスがログハウスのそばまで進出してくれるといいなと思っていたので、これはうれしかったです。
なんと小屋自体にキツツキの巣穴が。
自然を復元するというよりも、すこしだけ、自然の持っている力を引き出すことができたような気がしています。
この春もういちど間伐を行います。
今回画像がケータイのカメラなのであまりよくありません。
いずれ差し替えます。