エゾリスの会 非公式ブログ!

北海道帯広の環境系まちづくり団体「エゾリスの会」会員による非公式ブログ https://noken.hatenablog.com へ引っ越し

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帯広市は専門的な仕事を組織的にできるようにしてほしい(再掲)

ここ5年くらいの間に、帯広の市街地に残る重要な自然地帯のうちいくつかが分断されたり削られたり、林分がほぼ丸ごとなくなったりしています。「帯広の森」の周辺や稲田地区などの最も重要と位置づけられている場所です。

重要だと決めたらそれをどう普及するか、理解を深めるか、地域との共存のための単なる説明ではない地域づくり、管理の技術的な問題、そして今日的な自然環境保全の問題、環境保全の法令的な知識など、これを担当するものには非常に専門性が高く問われています。しかし、配置されている担当者の多くは、関心はあったとしても、専門性は高くない事務の方です。同時に、一般の方もそのようは専門性を持つ方は少ない。地域での説明会ではお互いに深い話が全く出来ない状態になってしまいます。一般の方は分かるような話をするには、よほど良く知っていなければいけないのです。

このような現実を見る限り、帯広市街地における自然環境保全など、無理じゃないかとすら思えます。
実際に自然の林を少しずつ削り続けている現実を目の当たりにして、そしてまだ削ろうかという話を聞くにつけ、そう思います。

以下は2008年の記事の再掲です。
記事は「帯広の森」の出来事を元に書いていますが、今回は帯広の街への思いで再掲しましたのでそのおつもりで読んでいただきたいと思います。行政は、自然環境にかかわる分野については専門的な組織として位置づけて欲しいと思います。それほど自然を守りたいと思っていない人も含めて、みんな困ってます!
そうでないと、地域住民は「誇りなき環境保全」を強いられかねないし(つまり我慢)、担当する者だって苦労がとても大きくなります。実際には保全は進まず破壊されるだけ。そして未来の人類から恨まれるだけです。

          • 以下再掲-----

http://d.hatena.ne.jp/noken/edit?date=20080725

帯広市は「専門的な仕事」について、もっと真剣に考えてほしいと思う。もちろん自然、公園緑地の管理などの「造園」「景観」「環境」といった分野のことです。
 今回の施設のことでも改めて感じたけれど、現場から管理職までのラインで事業を専門的に考えられるような状況をちゃんと作ってほしいものです。
現場の方だけがものすごくがんばっただけでは届かないことがある、と感じました。

 広い景観を作っていく、というこの事業は分野統合的な仕事だし、それぞれの分野について深くわかっていないとできません。勉強や役所の仕事ができるだけではだめなんです。現場たる「帯広の森」と学問、技術、人、を結びつける仕事なのですから。

 例えば自分がやれといわれても、その専門的なレベルを満足させることはできないと思います。
 専門的な資格や実務の経験を重ねた人じゃないとできないと思います。
 優秀な人を担当にもってきて、とはよく考えることですが担当部分が良くてもどうにもならないこともあると感じています。現状ではむしろいい現場担当者がいたとしても、その力を削いでしまうかもしれません。
 「帯広の森」という事業、世界的に意義のある事業だということがどれくらいわかっているんだろう。特にエラい人は「本質」で考えてほしいと思う・・・どんな仕事だって組織でしている、では「この仕事」の場合はどうなんだと・・・あの施設が生き生きと見える=活動や森が主役にみえるよう、エラい人にも考えてほしいってことです。
帯広の森」の話だけではない・・・というか、「帯広の森」はほかの公園や緑地と比べてずっと良いのです。恵まれているといったら良いか・・・、しかしほかの場所のことを考えると、この状況を継続しないほうがいいと思います。公園管理には専門職が必要です。利用者、周辺住民、動植物、子供たちに迷惑をかけないようにするためです。それから、世の中に現実に存在する「専門」の資格とって仕事している人に失礼な気さえしてしまいます。安全管理と苦情対応だけじゃないんですよ本当は。それに公園や緑地のことばかりじゃなくて・・・・・ああ、もう愚痴ばかりになってしまいましたが・・・・。

帯広市は4月から公園管理は「緑化環境」じゃなくて「都市建設」(だったかな?)の方に組み込まれてるんです、ならばなおさら、専門的なことを押し出して他の分野と調整できるぐらいでないと、飲み込まれちゃうね。自然や緑と人工物が調和した街づくりなんて無理だと思います。帯広市が目指すまちづくりでは、ちゃんとうたわれて、基本計画まであるのです。それが実現可能な体制をつくってほしい。

さて、このたび・・・・「環境モデル都市」に北海道から二つ選ばれたのが帯広市と下川町です。
http://www.sansonkigyou.net/mori-slow/
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/teiannaiyou.html
リンクをはらせていただいている「森の時間でスロー起業」や「山子の芸術〜木霊 光〜」が下川町の方のページなのです。保育園から高校生までが一貫して手入れから製品化までを体験することができるのです。そして、ここにはセンター施設はないのです。それでも充実した森林環境教育(だけではなく、事業化まで)ができるのです。

帯広も10年前に比べればジャンプアップして森と市民の関わりについて認識を深めてはいますが、林業が町のすべてである下川町のようなある種の切実さがない分、まだ森のことを、他人事のような感じでみているのではないでしょうか。

帯広の森」を育てる、市民がそこにどうかかわるか、行政は公園や緑を真に専門的に扱える部署をつくること、やり方によっては、これで帯広はかわるかもしれないし、それはこれからの時代にとても大切なことだと思うのです。