エゾリスの会 非公式ブログ!

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北海道新聞のお粗末なヒグマ報道に呆れました

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/393394.html

記事と動画をあわせてみてみると、この報道のお粗末さがよくわかります。

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会社員の車をクマが猛追 旭川(08/04 13:37)
旭川市21世紀の森で車を追い掛けるヒグマ(中島さん提供)

 【旭川】2日午後5時40分ごろ、旭川市21世紀の森(東旭川町瑞穂)で、走行中の車を追い掛けるヒグマを、車の同乗者が携帯電話で動画撮影した。

 遭遇したのは同市内の車販売会社の社員4人。仕事のため車で走行中、道路脇から体長2メートルほどの1頭が現れたという。ヒグマは車を威嚇しながら、100メートルほど後を追い掛け、森に消えた。道路脇には小グマも1頭いたという。

 JR旭川駅から東に約30キロ離れた同森は、ヒグマがよく出没するものの、姿が撮影されるのは珍しい。現場付近はキャンプ場で、家族連れも多いため、グループは管理人に連絡したという。

 動画では1人が「怖い」と大声を上げるなどヒグマの迫力に驚く様子が伝わる。撮影者の中島裕次郎さん(28)は「旭川生まれだが、クマを目撃したのは初めて。走るのも速く、恐ろしい」と驚いていた。△動画はどうしんウェブ

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・これだけの情報がそろっていれば、子グマがいたので防衛のために向かって来たということがわかる。しかし子グマがいたというだけで、防衛のための行動だと報道されてはいない。

・また、本当に100mも追って来たのなら、普通に出会ったのではなく、報道されていない事実もあるかもしれないことが想像出来る。

・動画では、ヒグマが車を追いかけていた時間より、車がバックでヒグマを追いかけていた時間の方が長く、見出しの表現が逆ではないか?と皮肉りたくなる。つまり観察者のとったこの行動は適切と言えるかどうかには疑義があるだろう。

・当人たちは怖がっているんだろうけど、画像で見ちゃうと面白がっているように見えることも問題があると思う。最後なんかスローモーションだし、報道とバラエティを間違えているんじゃないだろうか?

北海道新聞は北海道随一の新聞である。また、「北海道新聞野生生物基金」を持つことなどから、道民に対してヒグマに対する正しい知識と情報を提供する義務があると思う。

・本文中の「大声を上げるなどヒグマの迫力に驚く様子が伝わる」等の表現ほか、これらのさまざまな要因から、動画を見せたい欲求のあまり、必要な情報をおざなりにしてしまったと判断せざるを得ない。これでは感覚的な恐怖感だけを増大させるだろう。『ヒグマに対して恐怖と憎しみで対応しているうちはお互いにとって不幸なことしか起こらない』と言われていることは、道新だって知っているはずだ。

・センセーショナリズムを優先させ、命に関わる(人間にも野生動物にも)重要な情報の普及啓発を怠った今回の報道については、抗議するより前に、あきれかえるばかりだ。『北海道』新聞 なのに…

・目に見える反省をして欲しいものだが……それは期待出来ないのだろうか?