全国雑木林会議in飯能レポ1
今回の全国雑木林会議のキャッチフレーズに「原点回帰」という言葉が使われていましたが、今回はその言葉を強く意識することになりました。
2班に分かれてエクスカーションや分科会に参加したのですが、自然を守る活動についてはさすがに内地、元気をもらうことができたとの感想でした。また、活動地内のログハウスや窯なども、はじめから立派なものをつくらなくてもいいんだ、肩の力を抜いて活動していいんだなと確認することもできたようです。
一方で、行われている様々な試みは、「雑木林活動」というくくりで見る限りは、まだ歩き出したばかりの部分がとても多いと感じました。
たとえば、森づくりを利用した環境教育にしても、森の管理目標「どういう森にするのか」が決まっていないとのことでした。それでも、参加した学生は大きなものをつかんで成長されていました。
森の目標が決まれば、管理方法が決まります。それは「環境教育の軸」が決まって行くことにつながるのです。
森づくりの軸は環境教育の軸ともなるでしょう。
単に枝打ちとか、植樹だけをして「環境教育」と行ってしまうような授業は全国にうようよあります。「そうではないもの」をやるためには管理目標や方法について学生が参加しながら作業をするべきと考えます。
「帯広の森」でも以前あったことと似ていますが、個人の方や団体が勝手に伐ってしまう、などという状況があったようですし、この木を伐るか伐らないか、悩む機会が体系的に訪れないのはもったいない気がします。
なぜこの事例を持ち出したかというと、現代の雑木林活動ではすでに「基本のこと」として通り過ぎてしまい、雑木林会議の中でもいまやテーマ立てすらされていない「雑木林管理の基本的な技術・考え方」をもう一度持ち出す必要が出てきた(あるいは、今回こそそれが必要だった)と感じたからです。
この分科会では自由の森学園の校長先生のお話が興味深かったです。
↓ なぜ森と関わるのか、根拠を深く求められておられました。
現代の雑木林活動が全国に一時的に行き渡り、同時にテーマも広がりつつあります。材の社会的利用・バイオマス、森林療法、環境教育・・・・。
今回は、その雑木林活動が第二段階的な広がりを見せているなかで、基本をすっ飛ばしてとにかくやって見る的な活動が今後出てくるのではないかと感じさせられたのです(「帯広の森」でもそれはあり得ると思っています)。そこで、雑木林活動の基本部分を見つめ直したり、地域の実情にあわせて論議したりという機会は雑木林会議にとって常に必要なのではないかと感じたのです。
たとえば、大学の裏山に学生とはいって、どんな森づくりがいいか一緒に悩む時間があっても良かったと思います。
その2はこちら
http://d.hatena.ne.jp/noken/20081107
次回は鹿児島です。
「現代の雑木林活動」って何?ということへのフォローは必要だし、各分野がもう一度基本にかえって、活動をはじめた頃の感動を思い出しつつ、技術や考え方、可能性をどのように伝えるか?鹿児島の方達だけではなく、「全国」の方たちも試される会議になるのではないでしょうか。