エゾリスの会 非公式ブログ!

北海道帯広の環境系まちづくり団体「エゾリスの会」会員による非公式ブログ https://noken.hatenablog.com へ引っ越し

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 マスコミの認識不足・「餌付け」は「麻薬」

(2016.613タイトル変更しました……というよりは当初のタイトルに近い言葉に戻しました)

小型野生ほ乳類に素手でさわると、マダニやノミからリケッチアやSFTSに感染する可能性が高まります。また、不自然に高密度な生息域を作り出すことは寄生虫が増え、感染症リスクが上昇する心配が高まります。

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23780307/
ただし、この研究では人間に対して病原性があるリケッチアかどうかまでは明確になっていません。
しかし、もしその検体に病原性が無いとわかっても、将来的に病原性のものを運ばないとはいえないのです。
また、病原体はほかにもいろいろあるのです。
2014.225のエントリ重症熱性血小板減少症候群SFTS)ウイルスが北海道のマダニより発見」
http://d.hatena.ne.jp/noken/20140225

餌付けなどでリスの密度を上げれば、ダニやノミなどの生息状況を利することになると私は考えます。

リケッチアについて
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%A2
http://www.jabfid.jp/disease/Pages/rickettsia.aspx

追記(2016.6):私が問いたいのは「もしエゾリスが明確に重大な感染症の媒介者になったら、エキノコックスの件でキツネを殺すようにエゾリスを駆除するんですか?」ということです。きっと殺しますよね。
いまの餌付けの状態では、エゾリスは殺される方向に進んでいるのではありませんか?


「ヒマネタ」が動物を殺す

この前アザラシの記事で、「野生動物には餌をやらないのがルール」と書いたばかりの新聞が、
http://d.hatena.ne.jp/noken/20070707

今度はこのような記事を載せています(画像)。

新聞に肯定的な形で載るということは、「どんどんやっていい」と世間は思います。

野生動物への直接接触で餌をやることをこのような形で奨励するなど、マスコミがしていいこととは思いません。

個人の楽しみなど、このような形で新聞に載せる必要はないと思います。もしやめようと思ってもこれでは引っ込みがつかないでしょう。それどころか、まねをする人がどんどん増えますよ。

このようなことの積み重ねが、先日のアザラシのトラブルを招いているとは思いませんか?

知床ではヒグマに餌をやっている観光客がいるのですよ!

もう少し良識を持っていただけないでしょうか?十勝毎日新聞さん。
記者さんよりは編集といったらいいんですか?デスクといったらいいんですか?そっちに問題を感じます。
大新聞だけでなく、地方紙にも、イヤ、地方紙こそ「科学部」が必要だと思いますよ。


絶滅を防ぐとか、生態を調べるとか、公共的に位置づけられたものならば、コントロールが効きますし、餌付けの意義があります。

しかし、そうではない「個人の楽しみ」を取り上げて「善行」とするならば、もしそれが動物に問題があるとわかったときには「悪行」と言われるリスクを負わせることになります。取材先を悪者にしてしまう可能性があるんですよ。

野生の動物にとって、このような餌付けはなんの意味もありません。人間側にだけ意味があります。「お腹がすいたときにやってくる」というのも、人間が自分の気分に都合良く決めつけただけです。

私の身近に
「餌付けが原因でリスが死んでもいいからリスに餌をあげたい」
というお年寄りが実際にいらっしゃいます(この方は2016年現在亡くなられています)。その台詞を、その原因で実際に死んだリスを目の前にして言えるのです。その方の家の前では実際に年間3頭ほどのリスの交通事故があります。

でも、「餌付けはやめたくない」とその方はおっしゃいました。
このような餌付けは「依存症」なのではないかと思い始めています。

追記(2016.6):この方は公園で餌付けが流行るずっと以前から餌台に少しづつ餌を置いていた方でした(現在は亡くなっています)。
おそらくいまから30年くらい前からでしょう。当時は、エゾリスをみると追いかけたり、石を投げたりという行為がみられた時代でしたから、親しむという意味はあったと思います。
いまひかれて死んだばかりのあたたかい死体を私が持って、玄関を空けたらお知り合いだったので驚いた記憶があります。実際たいへん穏やかで善良な方でした。
しかし、餌付けしている公園から、道路を渡って自宅の備蓄餌に来るリスたちが、玄関前数メートルで何度もひかれて死んでいても、私に言われるまでは全く手を打たない状態になってしまっていたのです。
餌付けでリスを増やして、自宅に結果的に誘引して死ぬ結果となっていた・・・それを「知ってる」と言った後で、「でも餌付けはやめたくない」と言ったのです。
一体何のためにリスに餌をやっていたのか・・・おそらく野良猫でもなんでも良かったのかも知れません。ホントに餌付けなんて、人間が自分の気分のためにやることなんだと確信しました。

「餌付け」はアシ抜けできない「麻薬」のような存在なのでしょうか。

もし、この方が上の記事の取材先だったら(違いますが)、新聞はどうするべきでしょうか…………